痛み止め(鎮痛剤)とは

痛み止めとは

身体に異常が起こっているサインとして現れる「痛み」。
痛みは、引き起こされる原因によって3つの種類にわけられています。

侵害受容性疼痛(炎症や刺激によって起こる痛み。身体の危険信号としての役割がある)

神経障害性疼痛(病気などが原因で神経に異常をきたして起こる痛み。)

心因性疼痛(明らかな身体的要因はなく、心理的・社会的な原因によって起こる痛み。)

いずれかひとつの原因によって起こることもあれば、複数の原因が重なって起こる場合もあります。

痛み止めや解熱鎮痛剤は痛みの原因そのものを治療するものではありませんが、炎症や発熱による苦痛を和らげることが目的。

痛み止めの中にも種類があり、もっとも作用が強いものはオピオイド関連薬と呼ばれるものでモルヒネやアヘンなどの麻薬です。

中程度の痛みには、精神障害の治療でも有効なサインバルタやトリプタノールといった下行性抑制系活性化薬が用いられます。

ドラッグストアで購入できるOTC医薬品や鎮痛剤としてはじめの段階で処方される薬などは、ほとんどが非ステロイド性抗炎症薬(NASIDs)に分類されます。

非ステロイド性抗炎症薬

頭痛や生理痛、風邪による発熱、関節痛など、痛み止めが必要な症状はさまざまですが、痛みの原因は同じでプロスタグランジンという物質の過剰生成によるもの。

非ステロイド性抗炎症薬の役割は、プロスタグランジンを合成する酵素・シクロオキシゲナーゼの働きを抑制することです。

痛む部位が異なっていても共通して痛みを和らげる効果が得られるので、どんな痛みにも同じ薬で対処できます。

非ステロイド性抗炎症薬の中にはさらに細かなカテゴライズがあり、抗炎症・鎮痛・解熱においてどの作用に比重が置かれているかが異なります。

サリチル酸系

炎症を鎮めて、腫れや発赤、痛みといった症状を抑えるほか、解熱作用があります。
頭痛薬として利用しやすいほか、血液を固まりにくくして血栓症予防に効果があることから、脳梗塞や心筋梗塞、川崎病などの治療にも有効。

1800年代から鎮痛薬として用いられてきましたが、かつては酸性が強く胃への大きなダメージがありました。現在では胃を通過できるように酸性が弱められていますが、消化性潰瘍の人は注意が必要です。

商品名:アスピリン、バファリンなど

プロピオン酸系

解熱・鎮痛・抗炎症の作用を均等に持っており、効果が得やすいうえに副作用は少なく安全性が高いのが特徴です。
ウイルスによる発熱や身体の痛み、上気道炎や関節痛など、末梢で炎症をともなった痛みに有効です。

商品名:ロキソニンナイキサン、イブなど

アリール酢酸系

抗炎症・鎮痛・解熱作用があります。作用が比較的強く、リウマチや変形性関節症の鎮痛にも用いられます。
胃腸への負担も大きく、消化性潰瘍には注意が必要です。

商品名:ボルタレンインドメタシンなど

コキシブ系

おもに間接リウマチや変形性関節症の消炎・鎮痛に用いられます。

腰痛症や腱鞘炎のほか、手術や抜歯後の鎮痛にも有効。
ほかの非ステロイド性抗炎症薬と比べて、胃腸への負担が大幅に軽減されているのが特徴です。

商品名:コビックス

非ステロイド性抗炎症薬の副作用

プロスタグランジンの働き

【胃腸障害】
もっとも多く発症する副作用です。
プロスタグランジンが抑制されることで胃粘膜の細胞保護効果が減少し、胃潰瘍や十二指腸潰瘍といった消化性潰瘍を発症しやすくなります。
すでに消化性潰瘍を患っている場合は潰瘍の治療薬と併用する、もしくは内服薬ではなく坐薬を使用してください。

【喘息発作】
アスピリン喘息とも言われますが非ステロイド性抗炎症薬全般で見られ、内服薬だけでなく坐薬や注射薬でも起こります。
喘息のほか、鼻づまりや目の充血、蕁麻疹などの症状も含まれます。
非ステロイド性抗炎症薬にアレルギーがあるとわかった場合には使用を避け、アセトアミノフェンを使います。
アセトアミノフェンは非ステロイド性抗炎症薬と同じようにプロスタグランジンの合成を阻害し解熱・鎮痛作用を発揮しますが、抗炎症作用はありません。

【腎機能障害】
発症することはまれですが、尿量が減少する・むくむ・体重が増える・身体がだるいなどの腎機能低下の症状が現れた場合には医療機関を受診しましょう。

※注意

インフルエンザ感染時の解熱で非ステロイド性抗炎症薬(とくにサリチル酸系・コキシブ系薬剤)を使用すると脳炎や脳症、ライ症候群を発症するリスクが高まるとされており、解熱剤として服用する場合には注意が必要です。(※厚生労働省ホームページより)

トリプタン系薬剤

片頭痛の鎮痛に特化したトリプタン系薬剤はセロトニン受容体作動薬のひとつで、一般的な解熱鎮痛剤とは作用機序が異なります。

片頭痛は、セロトニンの過剰分泌による血管の収縮と急激な拡張によって起こります。
セロトニンが増加する原因にはホルモンバランスの乱れやストレスなどが考えられていて、血管が拡張されると三叉神経が圧迫されて刺激となり、血管周辺での炎症を引き起こします。

ズキンズキンとリズミカルな痛みが頭の片側で起こって吐き気や嘔吐をもよおすこともあり、横になって痛みに耐えるしかないということも。
片頭痛には明確な治療方法がないため、痛みが悪化する前に抑えることが最善策なのです。

トリプタン系薬剤はセロトニンに作用し、血管収縮・抗炎症作用によって痛みを取り除きます。
痛みの原因に作用するため、頭痛が起こる前に服用しても予防効果は得られません。
痛みが発現してから早い段階で服用することで、高い鎮痛効果を発揮します。

片頭痛薬にはトリプタン

トリプタン系薬剤の種類

成分名 スマトリプタン ゾルミトリプタン リザトリプタン エレトリプタン ナラトリプタン
商品名 イミグラン ゾーミック マクサルト レルパックス アマージ
薬剤の種類 注射薬
点鼻薬
内服薬
口腔内速溶錠
内服薬
口腔内崩壊錠
内服薬
内服薬 内服薬
特徴 作用のピークは服用から2時間後。
脂溶性が低いため成分が脳に移行しにくく、鎮痛作用が得られない可能性もある。
スマトリプタンに比べて脂溶性がアップし効果が得られやすい。
水なしで服用できるので、外出時の頭痛にもすぐに対応できる。
作用が早く副作用も少ないことから、欧米では子供の片頭痛にも使用されている。
服用後30分ほどで効果が現れはじめ、作用のピークは服用から1時間後。
作用のピークは服用から1時間後、その後も作用が持続するので同日中に痛みが再発することはほぼない。 2008年に販売が始まったもっとも新しいトリプタン系薬剤。
服用から1~2時間後に効き始め、作用のピークは服用から4時間後。作用時間が長く、持続性の片頭痛や再発防止に有効。

トリプタン系薬剤の服用方法

片頭痛薬は痛みが起こらないようにするものではなく、発生した頭痛の原因を抑制することで痛みをなくしていくというもの。
薬の服用は、痛みを感じたらすぐのタイミングが基本です。

痛みが軽いうちに服用すれば悪化することなく痛みが引いていきますが、服用が遅れると痛みの範囲が広がってしまうことも。

刺激に敏感なアロディニアという症状が起こることがあり、顔や頭に触れるだけでも痛みが生じるため顔を洗ったり髪をとかすことができなくなってしまいます。

ここまで痛みが進んでしまうと、トリプタン系薬剤を服用しても痛みを抑えることはできません。

片頭痛薬を飲むタイミング

片頭痛では視界にギザギザと光る模様が見える前兆症状=閃輝暗転(せんきあんてん)が現れる場合もありますが、この時点での服用は早すぎるため鎮痛効果が得られません。

服用タイミングがつかみにくい場合は、

・前兆症状が出た少しあと
・頭をかるく揺らしてみて鈍い痛みを感じたら

を意識してみてください。

トリプタン系薬剤の副作用

過敏症 蕁麻疹、発疹など
呼吸器 呼吸困難
循環器 動悸、血圧上昇、脈拍の上昇または低下、低血圧
消化器 悪心、嘔吐、虚血性大腸炎
一時的な視力低下、暗点、ちらつき など
精神神経系 眠気、めまい など
肝臓 肝機能障害
その他 倦怠感、圧迫感、脱力感など

血管を収縮させる作用があるため、脳血管障害や虚血性心疾患などの既往歴がある人は服用前に医師への相談が必要です。

ごくまれにアナフィラキシーショックやてんかん様発作を起こすことがあるので、異常が現れた場合は服用を中止して医療機関を受診してください。

痛み止めの種類

痛み止めの種類

痛み止めにはさまざまな種類がありますが、鎮痛や解熱、抗炎症などの目的によって使い分けることで確実かつ安全に効果を得ることができます。

ロキソニン

関節痛や腰痛、生理痛、頭痛、発熱などのほか歯痛や抜歯後の痛みにも効果的なので、歯科でも鎮痛剤として処方されています。
早い人で服用後15~30分ほどで効果が現れはじめます。

ボルタレン

関節リウマチ、変形性関節症、腰痛、腱鞘炎、生理痛、膀胱炎など幅広い症状の消炎・鎮痛に用いられます。
副作用として胃腸障害が出やすいため、長期の服用には注意しましょう。

アスピリン・ジェネリック

関節リウマチや変形性関節症の消炎・鎮痛や急性上気道炎での解熱のほか、痛風の痛み、頭痛、生理痛などの鎮痛に有効です。
川崎病(心血管後遺症を含む)の治療にも用いられますが、その際は定期的に肝機能や腎臓の検査が必要です。

マクサルト・ジェネリック

即効性に優れた片頭痛薬で、服用後15~30分後には効果が現れはじめます。
頭痛が始まってすぐ(アロディニアを発症する前)に服用すれば、2時間後にはほとんどの痛みが消失するとされています。

痛み止めについてよくある質問

Q:痛み止めを飲んだあと、次の服用までに何時間あけたらいいですか?

A:薬に含まれる成分や量によって作用の持続時間は異なり、服用スパンも違ってきます。通常は4~6時間ほどの間隔をあけますが、商品の服用方法をよく確認した上で服用してください。

Q:妊娠中や授乳中に痛み止めを服用できますか?

A:痛み止めを妊娠後期に服用すると、胎児の動脈管(胎児の心臓から心臓へ血液を運ぶ役割)を閉じてしまうほか、羊水の量が極端に減少させてしまう恐れがあります。 胎児の健康に大きな影響をおよぼす危険性があるので、どうしても抑えたい痛みがある場合は医師に相談してください。

授乳中の方は、薬の成分が体内から抜けてからであれば問題ありません。薬の血中濃度の推移について確認してから、服用・授乳するようにしましょう。

Q:喘息持ちですが、アスピリン喘息かどうかはわかりません。痛み止めは使わない方がいいのでしょうか?

A:アスピリン喘息は、それまでに非ステロイド性抗炎症薬によってアレルギー症状や喘息が出たことがあるかどうかによって判断します。既往歴がなくても、ある時期に突然発症することがあるので注意が必要です。

アスピリン喘息では副鼻腔炎や鼻茸(鼻の奥側にできるポリープ)を併発することが多いので、レントゲンや内視鏡で調べることができます。また、専門機関で非ステロイド性薬剤の負荷試験を受け、喘息発作が出るかを調べるという方法があります。

Q:風邪の症状で熱もあります。市販の風邪薬といっしょに痛み止めを飲んでも大丈夫ですか?

A:解熱作用をもった痛み止めは多くありますが、風邪薬にも解熱成分が含まれている場合があります。両方を同時にもしくは近いタイミングで服用すると、効果が強くなり過ぎて身体に負担をかけてしまいます。

自己判断で痛み止めとほかの薬を併用することは控え、症状が続く場合には医療機関を受診しましょう。

Q:痛み止めはいつ飲んでもいいですか?

A:痛み止めの服用タイミングは特に指定されておらず、痛みが出たらすぐに服用します。しかし、非ステロイド性抗炎症薬の中には胃に負担をかけるものもあるので、胃が弱い方は食後すぐに服用するといいでしょう。

痛みの発現と食事のタイミングが合わない場合には、牛乳やヨーグルトを摂取してから服用すると胃へのダメージを軽減できます。非ステロイド性抗炎症薬以外の薬は、牛乳を一緒に服用すると効果を強めたり弱めたりすることがあるので水かぬるま湯で服用してください。

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