多汗症のお薬・石鹸

多汗症とは、体温の調節に必要な範囲を超えて汗が異常に出てしまう症状を指します。

多汗症の治療では心身療法や薬物療法、外用薬が主に利用されており、症状や日常生活への支障などで治療法が決められます。
場合によっては手術も行われるケースがあります。

多汗症のお薬には外用薬と飲み薬(内服薬)があり、汗の匂いを抑える石鹸なども人気を呼んでいます。

多汗症の内服薬

多汗症用の内服薬

多汗症の飲み薬はかつて胃潰瘍の治療に用いられていたお薬が多汗症に用いられており、発汗を抑える効果があるとされています。

汗の分泌は自律神経によってコントロールされ、神経伝達物質のアセチルコリンがアセチルコリン受容体と結合することで汗が分泌されるようになっています。

プロバンサイン

多汗症の内服薬はアセチルコリンを抑制する抗コリン剤(プロバンサインプロスパス)を服用することで、発汗を抑えることが期待できます。

プロバンサインは日本で唯一保険が適用される多汗症の飲み薬で、全身性多汗症の症状を改善するのに有効的です。
市販では販売されていない成分なので、市販の制汗剤などで効果が感じられない方にお勧めです。

ただし、全身に作用するお薬であるため副作用が出やすく、口が渇いたり動悸がしたりということがあります。
また、瞳孔が開くという副作用も起こり得るので車の運転や機械の操作を行う際には注意が必要です。

プロバンサインやプロスパスは、多汗症の治療の他にも胃・十二指腸潰瘍、夜尿症の治療に使用されます。

精神安定剤

多汗症の患者さんの中には、恐怖心や情緒不安定といった精神的な要因で異常な発汗が起こる人がいます。
その場合には、自律神経を整える精神安定剤(抗不安剤)を処方されることがあります。

トフィソパム(商品名:グランダキシン)やパロキセチン(商品名:パキシル)が精神性発汗の治療に使われることがあるお薬ですが、向精神薬に詳しい医師の指示のもと服用する方が良いでしょう。

多汗症の外用薬

多汗症の外用薬

多汗症の外用薬には塗り薬やローションがあります。

外用薬のメリットは局所的に作用するため、手や足、ワキなど決まった箇所で汗が異常に出る方にお勧めです。

また、外用薬は塗った箇所にだけ作用するので、内服薬と比較して副作用が出にくいとされています。

ワキガに効く外用薬

ワキガに効く外用薬

わき汗が異常に出ることを「腋窩多汗症(えきかたかんしょう)」といいます。
脇にはもともと汗腺が多く存在し、気候の変化や精神的な刺激などによって発汗が促進されます。

ワキガを改善する場合、塩化アルミニウムが含まれている脇用の制汗剤(デオドラント)を使用することが多いでしょう。

パースピレックス

パースピレックスロールオンは医療先進国のデンマークで開発された固形の制汗剤で、汗腺内の水分に反応し汗腺の深い部分に角栓を作って蓋をすることで発汗を抑制する作用を持ちます。

パースピレックスは市販の制汗剤よりも効果が高く、1度塗れば3日~5日程度効果が持続するのです。

パースピレックスロールオン・コンフォートはパースピレックスシリーズの中でも敏感肌の方に向けた制汗剤です。
ワキガが気になるけれど制汗剤の成分によって肌が荒れやすいという方にオススメです。

シリーズのなかでは若干効果が落ちるといわれていますが、それでも市販の制汗剤と比較すると強力な効果を発揮するので、お肌を傷めずにワキガ改善ができるでしょう。

パースピレックスの中でもっとも強力とされているのがパースピレックスストロングです。
極度のワキガで市販の制汗剤がまるで効かないという方に適しています。
パースピレックスストロングは1度塗れば最大5日間効果が持続するといわれているほど強いのですが、その分通常のものと比較すると肌への負担が大きいので注意が必要です。

手足の汗に効く外用薬

手足の汗に効く外用薬

汗を抑える塗り薬といえば脇用の制汗剤が多いのですが、中には手足のみに汗を大量にかくという方もいるでしょう。
そのような方にお勧めしたいのが手足専用の制汗剤です。

パースピレックスローション

パースピレックスのシリーズにはパースピレックスローションというローションタイプのデオドラントがあるのですが、これは手足の多汗症治療として世界中のクリニックで使用されています。

作用は脇用のものと同じで、汗腺内に角栓をつくって蓋をすることで汗が出るのを抑えます。
ロールオンタイプと比較して肌に塗った後乾くのが早いので、手足に塗るには最適でしょう。

パースピレックスローションは手足専用ではありますが、脇や顔など他の部位にも使用可能なので、ワキガや顔面多汗症にも使用されることがあるようです。

十足美

臭いを抑える成分が入っている石鹸として有名なのがプレモン石鹸です。
茶カテキンや渋柿エキスなど、消臭効果の高い成分が多く含まれており、メーカーである三鳩化学工業が実施した実験では、プレモン石鹸の消臭効果が汗の匂いに対して98%の効果を発揮したそうです。

洗浄効果や消臭効果のある成分を含む石鹸を使用するとお肌が乾燥しやすくなってしまうのですが、プレモン石鹸ではヒアルロン酸など保湿効果を持つ成分も含まれているので、使用後はお肌が潤うでしょう。

汗の匂いを抑える石鹸としては、はちみつ成分を含むプロポリス石鹸も人気を呼んでいます。
はちみつから摂れるプロポリスには高い抗菌・殺菌・防腐作用があり、さらにプロポリスの中にあるフラボノイドは消臭効果が期待できるのです。

プロポリスは天然の成分なので、肌に負担をかけることなく汗の匂い対策ができるでしょう。

よくある質問

Q:薬で汗を止めるのと手術をするのとではどちらが良いですか?

A:飲み薬や塗り薬で汗を止めることは、手術を受けるよりも気軽にできて負担がより少ないというのがメリットです。ただし、服用を止めると症状が再び現れることが多いでしょう。

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